『東大読書』西岡壱誠

ビジネス書を読むときの心構え基礎


ビジネス書や新書読む時ってどうやって読んでますか?

ただ「読む」だけではなく、正しい「読み方」を元に読んだ方が速いし、忘れないですよ。という本でした。

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感想


全体的に現代文の授業のビジネス書版のような感じでした。序盤では、「タイトルや目次、リード文はちゃんと読もう」みたいなことが書いてあって、いやいやそこまで基礎的なことはわかってるんですよ西岡氏!と少し小馬鹿にしながらサクサク読みました。しかし、さすがに売れてる本なだけあって、そんなレベルでは終わりではなく、読後には疑問に思うことを調べる大切さや、本同士の共通点や相違点を発見する大切さには気付かされました。本は物書きにとって「魚」という説明には納得がいくものの、マジで現代文っぽい解説やなぁと感じた一冊でした。

 

本は遠くに行くためのツール


最初にタイトルや帯などからゴール地点を確認して、そこから逆算するように目標までの道筋を目次で確認し、現時点の自分を意識してスタート地点を確認する。

仮設作りというのは本を読む上で非常に大切で、意識することで速く深い理解を得ることができます。

特に、僕が意識していなかったのは著者のプロフィールを見ること。帯や目次までは目を通すけど、著者が誰でどんなバックグラウンドを持っているのかを意識した読み方というのは今までしてこなかったなと思い、ここで1つ気付きを得ました。

 

疑問とは「一歩進むこと」


「質問」ではなく「疑問」を持つことで、人類は進歩してきました。

わからないことは、調べることで深い知識を得られる。そんな超当たり前と思われるようなことまで本に教えてもらわないと僕は気付きませんでした。いや、正確に言うと気づいてはいたけど、やる気になっていなかったという感じです。「ん??」と思っても、「まぁいっか」で済ましていた僕にとって、その態度は駄目だと気付かされた部分でした。

 

本を書く側にとって、本とは魚である。


表現がとても上手だなと思った一文です。

どんな文章でもどんな本でも、最初から最後まで1本、「骨」になる「主張」が通っている。
その「骨」になる「主張」に、さまざまな「身」がついている。

 

本を読む人も読まない人もこのことはなんとなく分かっているのですが、どこが主張でどこが肉付けなのかということを説明しろと言われるときっと困ると思います。

僕たちは本の「骨」をたどるように肉を食べながら全身を食べるわけですし、あまりにも骨の形が異型であったり、肉がおいしくなければ途中で食べるのをやめてしまうわけですよ。

昔読んだ内田樹さんと名越康文さん、橋口いくよさんの『本当の大人の作法』では、「何でも分かりやすければいいってものじゃない。」という主張のときに"うどん"を例にして、半知半解のものでも食べてる途中では「まずい」と言えないから最後まですすり切ると言っていたことを思い出しました。

魚とうどんの表現、とても好きです。