数字はコトバ『徹底的に数字で考える。』深沢真太郎
物事を「数字で考える」ことが大切だと言われた経験は誰しもあるのではないでしょうか。でも、「それってつまりどういうコト?」って思いませんか。
そんな問題を解決するべく、本を読みましたので紹介します。
著者の紹介
著者の深沢真太郎さんは、数学的なビジネスパーソンを育てる「ビジネス数学」を提唱して述べ1万人以上を指導した実績のある教育の第一人者です。
予備校講師、外資系企業の管理職の経験を活かしてビジネス研修の講師をされているだけあって、文章がとっても分かりやすいです。
読んでてすーって浸透する感覚がありました。イオンウォーターかよ。
紹介したいポイント
ビジネスに関わる方全般、特に経営や企画、マーケティングに関係の深い方へ是非読んでいただきたいです。
本の半分ほどを「なぜ数字で考えることが大切なのか」「数字で考えるとはどういうことなのか」に使っていて、時間のないビジネスマンの方であったとしても全般に最初の1章と2章だけでもいいから読んでみて欲しいと思いました。
全編において、まったく数学の知識は必要ないように出来ており、「言葉」だけの説明にも関わらず期待以上の成果が得れました。いや、成果を得るのはこれからです!
数字を使うことで得られる効果
数字を使うことのメリットを一言で表すのであれば、「成果・評価につなげる」ことです。詳細は以下の3つに分かれます。
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問題解決
問題解決と聞くと、「解決する」ことに考えが向かいがちですが、実は「問題解決」には「問題をつくる」ことと「解決する」ことの2つが含まれており「問題をつくる」には数字で具体的に考えることが必要とされます。
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説得力
数字が入った説得には伝わりやすさが向上する
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ファクト(事実)ベースの信頼感
2019年に大ヒットした『FACTFULNESS』はデータを基に思い込みではなく、正しく世界を見る方法を伝えました。
データは簡単に手に入るようになった今、正しく物事を語ることが求められます。
数字を使う真の目的は「ヒト・モノ・カネ」を動かすこと
数字を使って得られる効果は上記3つの「問題解決」「説得力」「信頼感」です。
その3つを得る目的というのは、「ヒト・モノ・カネを動かすこと」に繋がります。
ビジネスとは、簡潔にいうと「ヒト・モノ・カネを動かすこと」であり仕事ができるというのは、数字を使うことが出来るということになります。
数字とはコトバ
あらゆるコミュニケーションは、言葉で行うと思いますが、コミュニケーションにはほぼ数字を使うので、数字というのはコトバと一緒だと書いています。
これは人とのコミュニケーションにおいては、ビジネスから少し離れて考えた方が分かりやすいかもしれません。
例えば、「明日遊ぼう」というコトバだけで、遊べますでしょうか。
「何時から?」→13時から
「どこで待ち合わせ?」→ハチ公前(突き詰めれば、ハチ公前の住所のこと)
「何人で?」→2人
このように、何かを詳細に決めようとすると必ず数字が出てきます。
全部とは言わないまでも、ある程度決まらないと会うことすらできません。
ビジネスでも一緒で、数字はコトバと同じように使わないと伝わらないということだと考えました。
「数字では語れないもの」を提供するために
我々、人間がやっている仕事は数字で語れないものを誰かに提供することのようです。
数字で語れないことというのは、感動や愛などのことです。
そして、人間にしかできない方法で数字を語ることこそが、人間を豊かにします。
著者の深沢さんが本書の最後に伝えたいこととして、記載していて(不覚にも)感動しました。
本書には、実際に数字をコトバとして考えて分析することや、アサンプションベースで考える(フェルミ推定)練習が載っていて、概念的な理解に加えて実践的にも使いやすいようになっていると感じました。
特に、「ファクトベースで仕事ができるようになる13の質問」などが掲載されていて、一旦全員これに沿って仕事を進めるよう鉄の掟を作ってほしいです。
読みやすく、参考になる本だと思いますので、気になったら一読してみてはいかがでしょうか。