『どこでも誰とでも働ける――12の会社で学んだ“これから"の仕事と転職のルール』尾原和啓

自分の価値を認め、向上する


もちろん本書を読んで転職にも役に立つとは思うのですが転職本というよりも、「自分の価値を上げるためにどうするか」が書かれている本という印象が強く残りました。

冒頭でインターネット時代の到来による働き方の変化を訴えています。プロフェッショナルのみが生き残り、働く上でも会社や所属よりも個人が重要視されるようになるという主張です。

インターネット時代に生き残るために、どうすべきか。12の有名企業で勤めた経験のある著者尾原さんの仕事のルールが存分に書かれていました。

[amazonjs asin="4478102023" locale="JP" title="どこでも誰とでも働ける――12の会社で学んだ“これから"の仕事と転職のルール"]

 

プロフェッショナルの条件


「自分の中に自分で神をつくって、その神に対して宣言し続けることで、自分を律するしかない」

先輩社員からそう教わった著者は、コンサルタントの自分に対する自分ルールをいくつも作り、死に物狂いで守ったといいます。

「自分がいただいた給料の10倍以上の利益を返して、はじめてスタート地点」 「新しい職場では、まず誰も手を付けたがらない汚れ仕事を黙々とやり、汚れを剥ぎ取ることで成果を出す」

など、素晴らしい心構えで働く心構えを作っていました。

コンサルタントであろうとなかろうと、こうした自分ルールを作成し絶対に守るという姿勢はプロフェッショナルとして生きる絶対的な条件なのだと感じました。

 

期待値のコントロール


マッキンゼー時代によく言っていたのは、お客様がびっくりしすぎて鼻血を出すくらい、すごいアウトプットを出そうということです。

ここでのポイントは、あえてお客様からの期待値をギリギリまで下げておいて、実際のバリューとの差を出し、感動させることでした。このことを「エクスペクテーションマネジメント」と呼ぶみたいです。

相手の期待値を下げることも考慮するという期待値管理という考え方は新しい気付きとなりました。

これは転職などの面接のときにも使えるなと感じました。

プロジェクトの受注や転職で入社するためにあれこれ出来ると言っておいて、想定と違ったから出来ないとなると、相手からは失望しか受けません。

相手の望む最低限のことと熱意だけ伝えておいて、あとはそれこそびっくりしすぎて鼻血を出すくらいのアウトプットを出してやれば文句も出ないのではないかと思いました。

 

1日1%の改善


楽天の創業者、三木谷浩史さんの言葉で、よく語られるのが「1日1%の改善」という言葉。

どんなことであれ、毎日1%ずつ改善していくと、1.01の365乗で、1年で37.8倍くらいになります。

なるほどと思いました。

1%程度の改善ならあまり苦にならないし、出来なくはない数字だと思います。それを毎日積み重ねることで、長い目で見ると大きな成長になると。言われてみれば当たり前なのですが、この数値を目の当たりにすると大きな気付きとなりました。

そして、みんなが努力をしているため結果が見えなくて多くの人が99.5%まで努力して諦めてしまうのですが、それを最後までやりきった人がすべての結果を独り占め出来ると。

このことを三木谷曲線と呼んで解説していましたが、何でも毎日継続して1%ずつ改善しようと改めて思いました。

自分の中での「継続は力なり」という言葉に初めて力強い説得力が生まれた瞬間でした。