『いい緊張は能力を2倍にする』樺澤紫苑
緊張はコントロールできる
プレゼンや大勢の前での発言って僕は絶対緊張してしまいますが、中には全然緊張してなさそうな見事な発表をする人もちらほら見かけます。
そういった人たちって、どうやってるんだろうなぁ〜といった疑問に答えてくれるような本でした。慣れとかの問題もあると思うのですが、樺澤氏によると殆どの場合、緊張はコントロールができるのだそうです。
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感想
ここまで科学的に書かれた緊張をとくような本は読んだことがなかったです。
著者の樺澤さんの本には妙な説得力があります。
樺澤さんの本を前にも読んだことがあり面白かったので、今回も興味本位で手にとった部分が多かったのですが、書いてることのどれか一つからでもまずやってみようかなと思うほど説得力がありました。
精神科医ならではの医学に基づいた知見が含まれているからなのかもしれません。今まで読んだ本では、「深呼吸をする」という項目とその方法は書いてあるのですが、それが身体のどの部分にどう影響するのかまでは書かれていないことが多かったです。樺澤さんは医学的根拠からリラックスできる根拠を明確に打ち出しているところが説得力の差かと思いました。
副交感神経を優位にする
緊張のメカニズムは交感神経と副交感神経からなる自律神経が関係することの説明があり、副交感神経を優位にすることがリラックスするポイントです。
副交感神経を優位にするには、自分で制御できる部分では深呼吸か筋肉をほぐすしかありません。
間違った深呼吸の方法、正しい深呼吸の方法や全身の筋肉のほぐし方、笑顔のトレーニングなど様々な練習法が掲載されています。
また、睡眠の大切さを説くために、ぐっすり入眠するためのトレーニングもあります。このブログも寝る前に書いてるのですが、本当は駄目な行為なんだなと反省しました。笑
セロトニンをとる
そもそもセロトニンってなにって思いました。
セロトニンを一言で言うと、「癒やしの物質」です。「落ち着き」「平常心」「心の安定」「共感」などを司っています。
セロトニンを増やすには、日光浴とかリズム運動がいいとあり、朝の散歩などが本当はいいそうです。僕にはどう頑張っても朝散歩する時間はないので、朝ごはんをしっかり食べるとか、リズム運動を行うことに注力することにしました。
やはり定期的な運動とかも必要なことがわかりましたが、英会話を聞きながらなどの「ながら運動」は駄目みたいです。映画を観ながらジムでランニングマシーンをしてる僕は、現実は厳しいと感じました…。笑
ノルアドレナリンを抑える
ノルアドレナリンを一言で言うと、「原始人が猛獣と出会った時に出る脳内物質」と考えて良い。同時に、記憶力が高まり、学習能力も高まります。さらに、筋肉を始めとして身体能力を高める作用もあります。ノルアドレナリンの分泌=緊張と言ってもいい。つまり「緊張」は敵ではない。「生きる」ために絶対に必要な、「最大パフォーマンスを発揮するための準備状態」が「緊張」の正体であり、それを現実化する物質がノルアドレナリンです。
ノルアドレナリンは悪いものではないみたいです。過去の経験から恐怖感がくるのがノルアドレナリンの特徴であるため、逆に徹底的に準備することやメンタルの切り替えによって、抑制することができます。
どこまで準備すれば徹底的に準備したのかわからなかったのですが、それについても下記のように記載があり、とても参考になりました。
「タイムマシーンで戻っても、やり残しはないか?」という問に、迷わず「全てやり尽くした」と言えるのなら、それが「やり残しなし」と脳のデータベースに書き加えられます。
ここでは紹介しきれないほどの数多くの緊張緩和のトレーニング法が掲載されており、大変参考になる本だと思いました。
わかったことは、緊張するからといってその場ですぐなんとかなるものは少なく、日々のトレーニングや生活習慣の見直しで時間をかけて強くしていく必要があるというごく当たり前ではありますが、言われないと分からないという貴重なことに気付けました。