『Webライティング実践講座』
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対象は企業の広報やWeb担当者といったかなり限定された内容でした。
僕は広報でもWeb担当でもないので、がっかりしたかと言えばそうでもありません。
普段読んでいる記事の構造をメタ的に理解して、本書に記載の通りになっているから、読んでいて面白いのか!などと気付きを得ることが数点ありました。易しく書かれているため、ブログとかニュースなどのウェブの記事を読むのが好きな人にとっては、内容的にも割と面白いと感じると思います。
気付きを以下に記載します。
どうすれば味方が一方的に有利になるかを考える基本構想が戦略
まさか、Webライティングの本で戦略のことを教わるとは思いませんでした。
しかし、「戦略とは」を考えてみると記載の通りだと感じました。
戦略を具体化するのが「作戦」 「作戦」への成功率を高めるのが「戦術」
また、これは広報などではなく、単純に会社員として参考になったのが、How toの情報が少ないということ。
企業サイトが特に弱いのが「How+to+動詞+普通名詞?」型の情報です。Who,What,Where,How muchに対応する情報を整備した後、効率を高める方に力を入れたので、How toに対応する情報を整備する時間がなかったのです。
検索で引っかかるかどうかはともかくとして、営業するにしても、システム開発をするにしても、自社の製品でのHow toの情報は出していかないといけないということが最大の気づきでした。
書き出しには、「え?」という気持ちが欠かせない
映画や芝居が始まる前に、劇場の照明を落として場内を暗くすることを「暗転」といいます。暗転することで日常との区切りを付け、これから別の世界が始まりますよ、ということを観客に知らせるのです。
暗転については、なんとなくわかっていたものの、言われないと分からないことだなと気付きました。
これには、タイトルと関連させるのも技でして、あえて「テーマと反対の言葉から書き始める」ということが引き込まれる文章の特徴なのだと気付きました。
ソーシャルメディア運用もそう簡単ではない!
ソーシャルメディアでの投稿もWebで書いているという点では、Webライティングの範疇です。
ソーシャルメディアが流行っていて、とりあえずアカウントを作って模索するところから各企業始まっているのかと思います。
ここで、著者はソーシャルメディア運用はそこまで甘くないことを説いております。
TwitterアカウントやFacebookページを自社サイトのように扱い、フォロワー数やRT数、いいね!された数をページビューや視聴率のように扱ってしまうのです。
いいね!の数やフォロワーでは必ずしも人気を測っていることにはなりません。
いいね!やフォローだけではSNSアカウントを通して、企業とユーザーが本当の意味で強い関係となったとは言い切れないからです。
その勘違いから、フォロワーを購入したり、ボットを使って情報を配信したりするようになり、どんどん企業とユーザーの間には壁ができあがることでしょう。
人間同士の生々しいやりとりが魅力のソーシャルメディアで、メッセージを自動的に発信してもPRにはなりません
著者はバズっている事象に対して、「乗っかるPR」を行えるコンテンツなどが充足していることが重要だと言っております。
それまではコツコツPR活動を自身の手で打っていくしかない地道ないんですかね。SNSを使い始めたからって、ラクしてPRできると思わず、ちゃんと文章を書きましょう!ということでした。