信用創造が重要な社会へ|『CardWave(2019.05・06)』

キャッシュレスが便利であることには変わりありませんが、その先にはどういう世界が待ち受けているのでしょうか。

「信用」という言葉が、キーワードでした。

アリババ経済圏でも、「信用創造がすべて」のような社会が創り上げられているということは伺いましたが、日本でもそんな日が近々来るのでしょうか。

ポイント

  • 登録不要で「ツケ払い」が可能に
  • キャッシュレスは信用を創る

 

登録不要で「ツケ払い」が可能に

「ツケといて!」なんて昔ながらの言葉を馴染みの店で使った人はどれほどいるのでしょうか。

最近、ZOZOがツケ払いを可能にしたことで話題となっていましたね。

そのツケ払いが電話番号を伝えるだけで、登録不要になったとのことです。

もうすでにアプリすらもいらなくなってしまったんだな…という衝撃がありました。

 

Coineyという決済アプリをご存知でしょうか。

もともと、クレジットカードやQRコード決済などのサービスを提供してきた会社です。この会社が、ZOZOの「ツケ払い」とガルディアの与信システムを使って登録不要のツケ払いを可能にしました。

与信システムって、人にいくらまで貸せるとか、この人は危険だから貸しちゃいけないというのを判断する仕組みだと思っていましたが、電話番号だけで判断できちゃうんですね、今って。

ツケ払いがどういう仕組みかというのを、簡単に図にしました。

まず、支払いする人は「ツケ払いで!」と言います。

そうすると、店員さんが支払金額を入力するので、ユーザーが端末に電話番号を入力します。

ユーザーの携帯端末にコイニーからのメッセージが届くので、承認すると支払い完了です。

登録がなく、とても簡単ですので店舗側にもユーザー側にも障壁がほとんどないことがすごいところだと思いました。QRコード決済などは、とても便利な半面、クレジットカードや銀行口座の登録など、多少は最初に面倒くさいことを入力する必要がありました。

まずは、やってみるということがこれほど手軽にできてしまうとは…。

ただし、この決済方法の課題は支払い時間にあります。

支払いをするユーザーは登録が不要なため簡単ですが、実際はQR電子マネーの方が支払いにかかる時間はかなり短いです。そのため、コンビニなどでの支払いには向いておらず、単価が高くてレジの回転率が低い業態にマッチする決済方法でした。

 

キャッシュレスは信用を創る

キャッシュレスということは、信用を見える化することにもなります。

キャッシュレスにするということは、個人のデジタルアカウントでお金をやり取りすることになります。つまり、今まで現金で不透明であったお金の動きがデジタルに記録されていくということになります。

これによって、家計での支出や収入も可視化することができるようになり、今までしてこなかった投資をより積極的に推進することができるようになりました。

また、今までは預金や資産の総額が、その人の信用となっていましたが、今はそれに加えてお金の出入りの意味によって、信用が蓄積されていくようになりました。

その理由は、シェアリングエコノミーや副業などで給与以外の収入も増えてきたためです。どんな活動をして収入を得たのかもわかるようになり、「活動データ」が信用につながる日がすぐそこに来つつあるということでした。

ポイント

  • 登録不要で「ツケ払い」が可能に
  • キャッシュレスは信用を創る

 

CardWaveは、決済事業者向けの本ではありますが、素人の僕が読んでも知らないことだらけでとても深い学びがありました。この号でいうと、KyashやカンムなどのFintechベンチャーと言われる会社のインタビューや、りそなのプラットフォームの公演も載っていて、とても興味深い雑誌でした。

決済事業者の方には、もちろんですが、これからの世の中の流れを知りたい好奇心旺盛な方々には是非オススメの雑誌でした。

あなたにとってのFintechは何ですか|『誰がFintechを制するのか』

Fintechってなに?

そう聞かれて、一言では説明できない自分に恥ずかしさを感じるとともに、問いの難しさを感じました。

Fintechに関わる7人のスペシャリストへインタビューした話をまとめた本があり、それぞれの立場にとってのFintechを説明されていました。

https://www.amazon.co.jp/gp/product/4046021713/ref=as_li_qf_asin_il_tl?ie=UTF8&tag=uchii-22&creative=1211&linkCode=as2&creativeASIN=4046021713&linkId=f5b1026d82261ef1214d94634d4f57fa

それぞれ立場が違う人へのインタビューとなるので、この本としての総合的な意見というのはぼかしている印象がありました。

ただし、もしFintechに関わる仕事をしているのであれば、必ず誰か同じような立場の人の話が書いてあるのではないでしょうか。

 

ポイント

  • Fintechの意義は不便なことの解消
  • 金融への不信感の理由は、投機と間違った期待値計算によるもの
  • Fintechは、今後パラダイム・シフトを起こす

 

Fintechの意義は不便なことの解消

実にシンプルな答えだと感じました。

これは、Japan Taxiの川鍋さん、メルカリの小泉さんの意見が共通しており、自分でもそうだと思いました。

Japan Taxiの川鍋さんにとって、タクシーのUI・UXを最高にするという点を突き止めると、それ専用のハードウェアやソフトウェアが必要となり、それを創り、他社へ販売もしています。

また、メルカリの小泉さんにとって、Fintechはテクノロジーをベースとして考えるものではなく、お客様目線で何か不便なことを解消しようとした結果生まれるものであると定義していました。

何かITの原点に立ち返ったような感じがします。

IT屋はつい、新しい技術を使って何かをするという発想に陥りがちではありますが、本当はお客様が不便なことの解決をするためのITであり、それができるのが最新の技術だという発想の流れが健全かつ適切だと思います。Fintechも同じですね。

 

金融への不信感の理由は、投機と間違った期待値計算によるもの

これは、大阪大学大学院の教授である安田さんが答えていたものですが、Fintechを含む金融への不信感があるのは、投機対象として扱われることが多いからです。

これは、特に株やFXなどで顕著だと思いますが、ハイリスク・ハイリターンな商品を買って価格の上下によって売買を繰り返す行為に当てはまります。また、様々な金融商品が存在して、何を買ってもハイリスク・ハイリターンになる傾向が強いということもあります。

そういったギャンブル的な使われ方をする金融の取引によって、不信感を募らせる人が多くいることも確かだと思います。

間違った期待値計算については、国家公務員の藤岡雅美さんが「日本人はリスクをダウンサイドでしかみれない」と書いています。大きな変革がすぐに起きなくても少しは待つ必要もあります。

大きな変革も小さな種から生まれるという言葉の通り、これをやれば社会は劇的に変わるんだという仕事はなくて、努力の積み上げでしかないのです。

Fintechは、今後パラダイム・シフトを起こす

アリババ経済圏内で使われる「芝麻信用(ゴマ信用、ジーマ信用、セサミクレジット)」と呼ばれる言葉をご存知でしょうか。

人の信用度合いを点数化したもので、その人の行いや、資産、学歴、年齢、過去の取引記録、人脈、クレジット情報などの国が持つオープンデータから作られます。この点数の高低によって、ホテルなどで受けることができるサービスが異なったり、住宅の敷金が安くなったりといった効果があるそうです。

このように、信用価値はオープン化されつつあります。

フィンテックには、信用価値のオープン化によって、お金のやり取りすらも不要になる世界の可能性すら持っています。本書では、そのことをイノベーションであり、パラダイムシフトであると述べています。

お金のやり取りだけではなく、誰と仲が良いなど交友関係のようなデータが加わって、複雑に絡み合った新しい価値を、今度は日本が創っていくことを著者は期待していました。

ポイント

  • Fintechの意義は不便なことの解消
  • 金融への不信感の理由は、投機と間違った期待値計算によるもの
  • Fintechは、今後パラダイム・シフトを起こす

 

上記は僕が良いなと思ったポイントをまとめて記載してしまいましたが、本書は著者や最後の対話形式も含めると、総勢10名以上の人々が「フィンテックとは何か」について語っている本であり、それぞれのアツい想いが綴られています。

フィンテックってなんだろうと疑問を抱えている方や、フィンテックに今まさに関わっている方にとっても間違いなく参考になる書籍だと思いますので、是非手にとって見てください。

 

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幅広く、奥深いキャッシュレス決済|『まるわかりキャッシュレス決済』

〇〇ペイ多すぎ!

最近になってめちゃくちゃ多く「〇〇ペイ」という言葉を聞きます。

僕が最初に聞いたのは、PayPayの1億円還元キャンペーンでしたが瞬く間に広がりましたね、決済ブームが。

このように、決済を現金以外で行うことを、キャッシュレス決済と呼ぶようですが、キャッシュレス決済にも色々と種類があって、奥が深いようです。

そこで、今回は「まるわかり!キャッシュレス決済」を参考に、キャッシュレス決済の気になる部分を紹介していきます。

キャッシュレスの大まかな分類

  1. QRコード決済(スマホアプリ)
  2. ICクレジットカード
  3. クレジットカード(非接触決済)
  4. ポイントカード決済
  5. 電子マネー決済

最近では、冒頭でも紹介したQRコード決済が目立っていますが、大きく分けるとこれほどの種類があります。特に、知らなかったのは、3つ目のクレジットカードで非接触決済がある(これから?)というところ。

実は、僕はクレジットカードと電子マネーSuica)での支払いが大半となっているので、QRコードなどの仕組みをよく知らなかったので、大変勉強になりました。

ポイント

  • QR決済
  • 接触のコンタクトレス決済
  • Origami Pay(「提携Pay」開始)

 

QR決済

QRの決済は、買い物との親和性が高いのが特徴で、会員情報の確認、ポイント付与、残高表示、支払い…といったことが一括で行うことができます。

QR決済の方式にも2種類あります。

  • ユーザースキャン方式:ユーザーが店舗のQRを読み込んで、金額を入力する。
  • ストアスキャン方式:ユーザーのスマホQRが表示され、店側が専用の端末またはPOSレジで読み込む

店側のコストを考えると、ユーザースキャン方式が導入コストが安く済むそうです。

とても便利な半面、気をつけなければいけないことがあります。

どちらの方式をとるにせよ、店舗側のスタッフのオペレーションをきちんと整備することが大切な点です。ユーザーは多種多様な決済手段を使っています。そのため、ユーザーの行動に対応した決済を行えるようなスタッフ教育を行うことが必要になります。

接触のコンタクトレス決済

SuicaPASMOなどの電子マネーもこれに該当するのですが、前から普及していた面もありますね。個人的には、これが一番早くてスマートだと感じます。

この方式も大きく分けて2種類あります。

  • Felica方式(日本独自のSONYが開発した規格)
  • NFC A / B方式(国際標準規格)

Felica方式

鉄道の改札などで使われていて、処理スピードが早いことが特徴です。しかし、日本独自の規格となっていて、海外に技術を輸出することや、インバウンドに対して訴求することは難しそうです…。

交通系のカードであるPasmoSUICA以外に、nanacoWAON楽天Edyなどが該当します。

NFC A / B 方式

国際標準規格と言われていて、VisaやMastercardなど国際ブランドが採用している規格です。専用のリーダーを設置しないと使えないようで、日本ではまだ普及していないのが現状です。

Type-Aは、NXP Semiconductors(旧フィリップス)が開発し、Type-Bは、モトローラが開発したそうです。

最近は、クレジットカードもこの規格に沿って、NFC Payができるものが多く出始めたようでこの前はCMも観ましたので、カード自体の普及はもう少しというところでしょうか。僕も早く手に入れなければ。

 

Origami Pay(「提携Pay」開始)

様々なキャッシュレス決済が載っている中で、自分にはOrigami Payが特に魅力的に映りました。利用者としても魅力的だと感じましたが、一番の魅力は店舗側やアプリ開発者として使いやすそうだと感じた点です。まさに、利用者、メーカー(アプリ開発者)、小売の3者が得をするような仕組みだなと感じています。

利用者のメリット

  • 即時割引やクーポンなどOrigami Payだけの割引が色々ある
  • 今いる箇所からOrigamiを使える場所を検索することができる

メーカー(アプリ開発者)のメリット

  • 提携Payによって、既存のアプリやこれから作るアプリへの決済機能の追加が簡単になったこと。

小売(お店)のメリット

  • お店からクーポン発行などを通して、アプリユーザーへの訴求が簡単にできること
  • 初期と月次がかからずに、決済手数料のみを負担すること
  • 手持ちの端末にアプリをダウンロードするだけなので、導入のスピードが早い
  • iPadがあれば、決済から売上確認の可視化ができるOrigami Businessが使える

自社の決済サービスに加えて、決済プラットフォームで各社と提携することで、一歩先に出ているなと感じました。

 

以上、色々つらつらと書きましたが、決済サービスの幅広さ、奥深さ、面白さが少しでも伝わったでしょうか。

Amazon Goや中国のアリババを筆頭にまだまだ進化していくキャッシュレスだと思いますが、また続きを記載できればと思います。

本書には、QRコード決済の現状や世間の反応、今後の動向など、まだまだたくさんの情報が深く、広く記載されています。MOOK本とは思えないぐらいの情報の質の良さを感じましたので、決済系に興味がある方は是非お手にとってみてはいかがでしょうか。

ポイント

  • QR決済
  • 接触のコンタクトレス決済
  • Origami Pay(「提携Pay」開始)

他人への執着をやめよう|『反応しない練習』草薙龍瞬

つい、カッとなってしまった…と後から反省することってありませんか?

僕は毎日冷静でかっこいい大人になりたいなと寝る前に反省してます。

心を落ち着ければ解決!と言われても、ヨガでも始めればいいの?瞑想?修行???これらも間違いではないと思いますが、身体からではなく、考え方から改善する方法もあります!

それが草薙龍瞬さんが書いた『反応しない練習』です。

https://www.amazon.co.jp/gp/product/4041030404/ref=as_li_tl?ie=UTF8&tag=uchii-22&camp=247&creative=1211&linkCode=as2&creativeASIN=4041030404&linkId=d3fe6046ca499849a6ea4e1d73532c55

この本は、ブッダ(仏教)の教えを元に草薙龍瞬さんの解釈で「現代社会ではこう使えば良い」と易しく解釈して教えてくれます。

無宗教であり、多神教の我々日本人にとって、仏教は近いようでよく知らない存在です。勝手な解釈をしていることもあると思うので、ゼロベースで読んでみることをおすすめします。

ポイント

  • 反応する前に理解する
  • 無駄な判断はしない
  • 競争をしない

反応する前に理解する

人間は、欲があることを理解するだけで全然マシという話です。

人間には7つの欲求(生存、睡眠、食欲、性欲、惰性、歓楽、承認)があり、特に承認欲求というのが強く心の内にあります。

だからこそ、仕事で怒られると嫌な気持ちになるし、嫌いな相手が目の前にいると気分が沈みますし、人前でプレゼンテーションをすると緊張します。

承認欲求を始めとする様々な欲求が自分の中には存在することを理解しておくことが大切です。これを理解して、負の感情が湧いたときに思い出すだけで気持ちのメカニズムがわかるので、メタ的に自分のことを捉えることができます。

メタ的というのは、自分のことを客観的に見ることができるということです。これができることで、一歩退いて鳥瞰的に全体を見渡すことができます。

無駄な判断はしない

自分が正しいと思うことはやめましょう。

これは僕が一番陥ってしまうミスです。人は、つい、善悪や良い悪いの判断をしてしまいます。仏教では、これは意味のない判断であり、本当に必要なのは、「真実であり、有益であること」なのです。

意味のない判断をしてしまうと、恨みや嫉妬など負の感情が湧き上がります。また、肯定的な判断であっても、それは負の判断に変わってしまうこともあるので危険です。

これを避けるためには、「あ、判断したかも」と気づくことです。例えば、「今日はダメだった」「自分はダメなやつだ」「あいつが嫌だ」などです。

人間である限り、これはかなり難しいのですが、大切なのは「真実であり、有益であること」ということを知っていると、次第にできるようになる事柄かもしれません。

競争をしない

人間関係を丸く収める4つの原則があるそうです。それは「慈悲喜捨」と呼ばれています。

慈:人の幸せを願う気持ち
悲:相手の苦しみ・悲しみをそのまま受け止める心。
喜:相手の喜び・楽しみをそのまま受け止める心
捨:手放す心・反応しない心

 

世間では、この4つをまとめて「愛」と呼ぶ。

この言葉、痺れました。笑

人間関係を円満に保ち、自分は自身の人生を信頼し、ゴールに向かうことが幸せになるポイントであると説かれました。

ポイント

  • 反応する前に理解する
  • 無駄な判断はしない
  • 競争をしない

まとめ

本書には、上記以外にも様々な事例や教えが満載で、読んでいてとても感心しましたし、心が落ち着いていくのがわかりました。

あまり他人に執着してはいけないし、負の感情はある程度自分のせいで発生していると理解することが出来たので、大変勉強になりました。

心が乱れてきた、落ち着かない、など多忙で疲れがちな現代人の皆さんに一読をおすすめしたい本でした。

https://www.amazon.co.jp/gp/product/4041030404/ref=as_li_tl?ie=UTF8&tag=uchii-22&camp=247&creative=1211&linkCode=as2&creativeASIN=4041030404&linkId=f6c3db674f865e617a372e71d42d42cf

 

 

自己認識はこれ一冊で網羅される|『insight』ターシャ・ユーリック

入学・就職・転職・結婚・出産など、それぞれの人生の節目には、自分の過去や現在、未来の姿を考える機会があると言います。

その自分のことを知る「自己認識」を行う観点は多種多様であり、自分ひとりで論理的に網羅した自己認識を行うことは難しいです。

今までは、各手法がそれぞれ分離されて書かれている本が出版されていました。しかし、自己認識の方法や具体的な事例、また実践的に自己認識ができるようなワークまでついている本と出会いました。

https://www.amazon.co.jp/gp/product/4862762700/ref=as_li_tl?ie=UTF8&tag=uchii-22&camp=247&creative=1211&linkCode=as2&creativeASIN=4862762700&linkId=8f4d9bfcdb627296b9498403f8004376

本書は、500ページ以上に渡る長編のビジネス書となりますが、一つ一つの章で事例の量が豊富に載っていて、かなり分かりやすいと思います。

個人的には、もちろん全て読む必要はないと感じていて、インサイトの7つの柱のうち、それぞれ必要な箇所だけ読むだけでも自己認識の大変参考になるかと思います。

最後の巻末に自己認識を実践的に行うための質問リストがついており、巻末付録とはいえまとまった情報が書かれており、これを実際に考えてみることで、自分を知る力はかなり磨かれるのではないかと思います。

ポイント

  • 自分の送りたい人生のガイドとなる行動指針を探す
  • 本当は人生に何を求めているか?を探す
  • 理想の環境を思い描く

自分の送りたい人生のガイドとなる行動指針を探す

人生の価値観は人それぞれです。

刺激、知識、正義、人気、友情、ユーモアなど、様々な価値観が様々な人に宿っています。自分の価値観は何だろう?といったことから始まり、それはどんなことがきっかけとなったのか、どんなときに出る価値観なのかを知ることで、より自己認知が高まります。

これは、7つの柱のなかでも最も基礎であり、最も難しい問いだと思いました。自分のことを単純に1つの価値観に押し込めることはできないように感じたからです。

ここからは僕の解釈ですが、1つの価値観だけが良いというわけではないと思います。いくつもの価値観を持つのは当然で、1つ1つの価値観の出どころをしっかり知っていることで、より自己認知力が高まっていくように思います。

 

本当は人生に何を求めているか?を探す

「明日死ぬとしたら何をする?」

小さい頃、よくこんなことを友達と聞きあっては、遊んでいませんでしたか?大人になるにつれて、こういう問いかけをしなくなりましたね。

本書では、あと1年しかこの世にいれないとしたら何をする?という問いがとても印象的で、これこそが自分の本当にやりたいことであったり、人生に何を求めているかを示しているような気もします。

例えば、諦めてゆっくり暮らす、この世に爪痕を残すつもりで必死に何かに打ち込む、好きな人と一緒に暮らす、自分の好きな趣味に没頭する、など色々な求めていることが見えてくるのではないでしょうか。

 

理想の環境を思い描く

仕事で最高のパフォーマンスを発揮する環境ってどんな環境でしょうか?

上に書いた自分の価値観であったり、願望を知った上で、最高の環境を考えるという章がありました。価値観をベースとした願望があるので、叶えるための土台はどのようなものかを考えるというものです。

例えば、周囲に人が全くいない無音の部屋、周囲に人がいて他者の目の意識が持てるカフェ、上司からプレッシャーをかけられている状態、きれいに整理整頓された机、周囲に美女がたくさんいる?など、環境は、具体的であればあるほど、自分の価値観や望むものに近づいていきます。

最高の環境ではなくても叶う願望も、価値観もあると思いますが、マッチした環境にいることで早道を通るように希望を実現できます。

 

まとめ

ここでは、3つまでしか柱を紹介できませんでしたが、本書には7つまで柱が載っており、かつ最後の巻末資料では具体的に自己認知を確かめるための質問リストがかなり豪華に載っています。時間がなければ、巻末から先に行ってみるというのもいいのかも…?

冒頭にも記載した通り本書は具体例がかなりたくさん載っていて絶対にどういうことか分かるようになっています。むしろ、他の海外の出版物と同様、少々くどすぎる部分もありますので、時間をかけてじっくり読める人には特におすすめとなっています。

自己認知は、大人になった今だからこそ必要で、定期的に見直してみることが大切です。人間の価値観は、生きているうちに変わるものだからです。自分自身をよく知ることで、少しでも多く幸せと思える人生を歩みたいものです。

 

ポイント

  • 自分の送りたい人生のガイドとなる行動指針を探す
  • 本当は人生に何を求めているか?を探す
  • 理想の環境を思い描く

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忘れられない読書経験に|『東大読書』西岡壱誠

あれ、あの本読んだことあったけど、何書いてあったかな〜ってことないですか?僕はしょっちゅうです。

本の読み方って、義務教育以来で教わる機会なんてないものだと思いますが、地頭力を上げる本の読み方があり、本を読む力と地頭力は関係しているみたいです。むしろ義務教育のときに教えてほしかったような本でした。

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ポイント

  • 読む前:どんな本か予想する「装丁読み」、目標を設定する「仮説読み」
  • 読んでる途中:次を推測する「取材読み」、他の本も読む「検証読み」
  • 読んだ後:内容をアウトプットする「議論読み」

読む前:「装丁読み」「仮説読み」

装丁読み

予告編の後に観る映画の内容が分かりやすいですよね?

映画と一緒で、本もあらかじめどのような内容なのかを予想しようというのが「装丁読み」です。タイトル、帯、店頭のポップ、著者のプロフィールなどからどのような内容かな〜と予想しておくことが大事です。

この本では、もっと具体的な方法が記載されています。

例えば、「タイトルなどからわかった情報を付箋に書きましょう」「付箋を都度見直しましょう」のようなことです。

この本は、こんなことを言っているのではないかな?と予想しながら読むと、予想とのズレを楽しむことができますし、何より読む前にワクワクします。

仮説読み

目標と現在の自分のギャップを意識して、埋めるように意識して本を読みましょう。

おそらく本を買ったのは、「どんな自分になりたいか」という意志があったはずです。今の自分をあらためて意識して、どのようにギャップを埋めていくかを考えながら本を読み進めることで、考えながら本を読むことができます。

 

読んでる途中:「取材読み」「検証読み」

取材読み

記者になったつもりで、疑問に思ったことを著者に問いかけながら読むこと 。著者が書いていることを更に疑問に感じ取って、自分で調べること。それが取材読みです。

本に記載されている以上の知識を得ることができるし、考える力も身につきます。

本書では、上記のことを「質問読み」と「追求読み」の2種に分けていますので、詳しく読んでみてください。

検証読み

複数の本を読むと、意見の違いを知ることができます。どちらが良い悪いを判断するのではなく、共通点、相違点、議論のポイントなどを検証することで、多角的にものごとを見る力がつきます。

 

読んだ後:議論読み

議論読み

上記に書いたとおり、読む前にどのような本か予想して、疑問を答え合わせしながら読み、他の本と比べることで、ある程度の力はつくはず。

さらに定着させるには、本を要約して他の人が買いたくなる帯を考えてみることや、自分なりの意見を述べることです。

結局は、得た知識をアウトプットすることで、記憶の定着は安定するし、自分の意見を出すことは考えることが必要となるのです。

 

ポイント

  • 読む前:どんな本か予想する「装丁読み」、目標を設定する「仮説読み」
  • 読んでる途中:次を推測する「取材読み」、他の本も読む「検証読み」
  • 読んだ後:内容をアウトプットする「議論読み」

 

本書には、もっと具体的な本の読み方や、本を読む方法がたくさん載っています。

是非、一読してみてはいかがでしょうか。

 

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そろそろビジネスライティングを身に着けませんか?|『書く技術・伝える技術』倉島保美

ビジネスマンたるもの、ビジネスライティングなんて当たり前にできるわ!

そう思ってる方が多いのではないでしょうか。

ただ、ほとんどのサラリーマンの方は、ビジネスの現場で文章を書くのはメールが大半かなと予想してます。

皆様のメールはロジカルに、分かりやすく、相手に伝わっているのでしょうか?

 

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この本、ビジネスライティングをテーマにしているだけに、めっちゃスラスラ読めます。

よく、「ロジカルシンキング」と言いますが、文章も基本的にロジカルシンキングが求められていることが良くわかる本です。

書いていることは、「こんな基礎的なこと!!」と思われるかもしれませんが、書籍に載っている例などを読み比べてみると、違いは一目瞭然です。

 

ポイント

  • 読ませない文章が最高
  • パラレリズムを意識して
  • 文はつなげず、短く切る

読ませない文章が最高

美しい文章を書くことができるのは、立派な才能ですが、ビジネス上の文章は小説と異なります。

読み手にとって、何の情報かがすぐ分かる、何をしてほしいのかがすぐ分かるのが、一番良い文章です。

人は、メンタルモデル(入力情報に対する読み手なりの理解)を利用して、高速に処理をしようとするので、ロジカルに予想通りの文章がくるほど、わかりやすい文章となります。

パラレリズムを意識して

並列する情報は、構成や表現を揃えて書くことを「パラレリズム」と言います。

創造性あふれる豊かな文章というのも、たしかに良いとは思いますが、同じ構成・同じ表現を使って書くことで、情報の抜け漏れなく相手に伝えることができます。

同じ構造で書かれていると、メンタルモデルを作ることで、読み手の理解が進みやすくなります。

 

文はつなげず、短く切る

いつからか、一文にまとめて書くことを美徳と感じる感覚がついている人が多いように感じます。しかし、一つの文章に言いたいことがたくさんありすぎると、伝えたい内容がぶれてしまう可能性が高いです。一文ではポイントを1つに絞って短く切るようにしましょう。

人に対して、「この文章を切って」というのは簡単にできるが、つい一文でまとめて書いてしまうみたいです。癖を治すのは難しいが、意識しながら練習しましょう。

 

ポイント

  • 読ませない文章が最高
  • パラレリズムを意識して
  • 文はつなげず、短く切る

 

コメント

当ブログでもパラレリズムは意識しないといけないなと反省しました。

この本のいいところは、

  • 例題がたくさん載っているところ
  • 本自体がロジカルに書かれているので、かなり読みやすいし分かりやすいところ。
  • 練習問題や実践編がついているので、身についた感覚があるところ。

以上、是非ご一読ください。

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